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特集

SDGsを広めよう!

持続可能な開発目標ーSDGs
11. 住み続けられるまちづくりをーSDGs
17パートナーシップで目標を達成しようーSDGs

SDGsとは

「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。

SDGsはよく、CSR=企業の社会的責任(企業が利潤を追求するだけでなく、組織活動が社会へ与える影響に責任をもち、全ての利害関係者へ適切な意思決定を行う責任を指す。)と同列で見られることがあるのですが、SDGsは国連が採択し、企業だけでなく、あらゆる国や社会、市民の指標として決議された全人類の目標がSDGsなんです。

2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて、
地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。
つまりこれらの目標は『 私たち 』のことなんですね。
さらに日本政府は、「SDGsアクションプラン2020」を発表し、今後の10年を2030年の目標達成に向けた「行動の10年」とすべく、2020年に実施する政府の具体的な取り組みを下の8分野に落とし込んで示しています。

  1. あらゆる人々が 活躍する社会・ジェンダー平等の実現
  2. 健康・長寿の達成
  3. 成長市場の創出、地域活性化、科学技術イノベーション
  4. 持続可能で強靭な国土と質の高いインフラの整備
  5. 省・再生可能エネルギー、防災・気候変動対策、循環型社会
  6. 生物多様性、森林、海洋などの環境の保全
  7. 平和と安全・安心社会の実現
  8. SDGs実施推進の体制と手段

外務省のSDGsアクションプラットフォームでは、主多様な企業 自治体 NGO/NPO 教育・研究機関 STI メディア その他の取組事例が掲載されていますが、現段階で既にこれだけ多種多様で広範囲な業態にSDGsの達成目標が活用されています。

また、経済的な後押しも見逃せません。世界最大の機関投資家として知られる年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が国連責任投資原則(PRI)に2015年10月に署名。経団連は2017年、日本経済団体連合会(経団連持続可能な世界の実現開発目標)で「Society 5.0 for SDGs」をスローガンに掲げ、経団連が提唱する「企業行動憲章」を抜本的に改定。SDGsの描くサスティナブル(持続可能)で豊かな未来目標へシフトチェンジするため大きく舵を切りました。

 

これだけ見てもSDGsはもはや、世界から押し寄せる潮流であり、無視することのできない大きな波であることが伺えます。

 

さて、肝心のSDGsの中身、「持続可能な開発目標」とは具体的にどのようなものなのでしょうか。
本題のSDGsが掲げている目標と、実際の取り組みをご紹介しつつ解説していきます。

SDGsは「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。
下記の17個のアイコンとともに、それぞれを見てみましょう。

17個のSDGs_logos

 

世界から見た日本のSDGs評価値

毎年、世界各国の進捗をまとめた『サステナブル・ディベロップメント・レポート(持続可能な開発報告書)』の中で発表されている2020年度の日本の世界順位は昨年の15位から17位に転落、しかしながら日本は、4の『質の高い教育をみんなに』9の『産業と技術革新の基盤をつくろう』16の『平和と公正をすべての人に』の3つの目標を達成しております。

 

2020_sustainable_development_report

※17の目標(アイコン)では、緑は達成、黄色・オレンジ・赤に移行するほどに悪化を示している。
※今回の「持続可能な開発報告書2020報告書」は、SDGsに関する取り組みの進捗状況と新型コロナウイルスからの復興の2部構成となっている。
一次情報はこちら(英語版)

あれ?でも日本は世界でも裕福な先進国の一つだし、貧困や飢餓も達成されてないのは何かの間違いでは?と感じる方もいると思うのですが、実はこれには先でも述べたように「17の目標」に付随する「169のターゲット(具体目標)」があり、目標だけをみて内容を判断しまうと取り違えてしまうこともあると感じました。

例えば「目標1:貧困をなくそう」に付随するターゲットは下記通りになります。

1.1:2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
1.2:2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
1.3:各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。
1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。
1.5 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。
1.a あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。
1.b 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。”
(外務省仮訳「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」より)

17の目標の「貧困をなくそう」一つとっても具体的な目標指標がこれだけあるのです。

※その他の169のターゲット(具体目標)については外務省のSDGsグローバル指標(SDG indicators)の17の目標アイコンをクリックすると表示されます。

「持続可能な開発報告書2020」(下記の表)ではさらに指標を数値化しグラフ化して掲載されていますので見ていきましょう。

 

世界各国の進捗をまとめた『サステナブル・ディベロップメント・レポート(持続可能な開発報告書)』

『サステナブル・ディベロップメント・レポート2020(持続可能な開発報告書2020)』のJAPAN掲載ページの(1)

世界各国の進捗をまとめた『サステナブル・ディベロップメント・レポート(持続可能な開発報告書)』2020年度版2

『サステナブル・ディベロップメント・レポート2020(持続可能な開発報告書2020)』のJAPAN掲載ページ(2)

 

レポート(1)上右の円グラフ表で見るとSDG1については限りなく100%に近く達成されてそうに見えて、レポート(2)の表で Poverty rate after taxes and transfers (%)(付随するターゲット ※1.4の「税引後の貧困率(略)」)に大きな課題が残っていると日本は評価されているのが伺えます。また2015年から改善されていない現状も浮き彫りとなっています。

持続可能な開発報告書2020 271ページ参照(英語版原文)

SDGsは世界から見た日本の問題点を具体的に知るきっかけの一つにもなりますし、現代の私たちが抱える問題を解決へと導く糸口となるはずです。
現代の私たちが《貧困、飢餓、健康、教育、平等、安全、エネルギー、生きがい、技術革新、格差、まちづくり、責任、気候変動、海と陸の豊かさ、公正な社会、共生》などの問題をどのようにして克服していくのか、まずは私達と一緒に具体的に知ることからはじめてみませんか?世界はあと僅か10年という短い間で、誰一人取り残さない未来へと押し上げようとしています。それは状況がそれだけ切迫しているとも取れますし、今まさに実現可能な状況にあるとも言えそうです。

「目標1:貧困をなくそう」ターゲット目標の1.4 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

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